『アランサンセ』とは、1988年に6月に結成された、在日朝鮮人の劇団です。
日本の社会の中で、日本語による創作活動や演劇をはじめとした表現活動を志向
する同胞が少ない状況において我々は「母国語による在日同胞の生き様の表現」を
最大のテーマに朝鮮語劇団を旗揚げしました。
劇団の結成に際して我々は次のようなメッセージを表明しました。
「ウリマル（母国語）で芝居をしたい]という、ただ一つの素朴な想いがあるだけです。
私達在日同胞は生活と同様、芸術においても言葉は常に選択され続けてきました。
私たちがウリマルの舞台に特別な意味づけをする理由も、そこにあると言えます。
私たちは生きていることが文化であり言葉であるという確信を持って、舞台に同胞の
生き様を投影させていこうと思います。同胞の中にウリマルが息づいている限り、
その表現も消すことは出来ないでしょう。
そして劇団名として「アリラン」の語源の一つである、「アリラン伝説」のヒロインーアラン（阿娘） に民族的情緒を、サムセに在日三世代の生き様を表現する意思をこめました。
劇団アランサンセは在日同胞の生き様を描く作業を通してわれわれの過去を繰り返し、現在を見つめ未来を展望してきました。
それらが同胞社会のエネルギーとなり、日本社会へのアイデンティティーの主張となり、そして祖国や他の海外同胞との民族的紐帯の確認となることを目指して活動を続けています。
